「机の…引き出しの中…ゴホッ」



私は机の引き出しから体温計を出して工藤先生に渡した。



「お前…ゴホッ…体温計がないからっておでこくっつけてはかるなよ…」



「なんでですか?」



「とにかくダメ…するとしても俺だけにしろ…」



「わかりました…」



ピピピーー



「見してください。」



「ん…」



「?!?!」



38.9℃?!



「なんでこんなになるまで言わなかったんですか?!」



「軽い風邪だと思ってたから…」



「甘く見ちゃダメですよっ!!」



「人のこと…言えないだろ…」



「まあ…そうですけど…とにかく!先生の体調が戻るまで泊まりますからね!!」



「悪いな…」



「いつもお世話になってますから。」



私は部屋から泊まる用意を持っておかゆを作った。



今度は私が看病することになるとは…



「工藤先生。おかゆ作りましたよ。」



「ありがと…食べさせて…」



「え??た、食べさせるんですか…?」



「うん…」



緊張しながらスプーンを工藤先生の口に持っていく。



「うん…うまい。」



笑顔でそう言う工藤先生があまりにもかっこよくて…



「なに顔赤くしてんの…」



私の頬は真っ赤に染まってしまった。