眠れる森の彼女

「く、食う……?」


ぱちくりと瞬きをし、吏那は小さな頭を横に傾ける。


やっと俺を見た。


長い睫毛に縁取られた円らな瞳が俺をしっかり見上げている。


小せぇな、コイツ。


「あー、そうじゃなくて……」


俺にまで吏那の緊張が伝染したのか、うまく頭が回転しない。


「昼休み。俺はいつも此処に居る」

「……?」

「いつでも来い」


吏那の事情も知らないし、首も突っ込めない。


気の利いた励ましの言葉なんて見つけられねぇけど、ただ吏那の逃げ場所になればいいと。


「ただし、誰にも言うなよ」