眠れる森の彼女

互いに無言で見つめ合う。


吏那が頬を染めて、大袈裟なくらい激しく目を逸らした瞬間、俺は吏那に瞳を奪われていたことを自覚した。


やっべ。何してんだ、俺……。


「これ、オマエの? っとアカツキリナ?」


砂を払いながら、吏那にノートと教科書を差し出す。


「……ヅキです」

「あ?」


吏那の声が小さすぎて、思わず聞き返す。


俺の低い声色が怖かったのか吏那は俯いたまま、肩を大きく震わせた。


なんつーピュアな反応。


「悪い。脅かしたつもりねぇんだけど」

「こ……コウヅキです……」