眠れる森の彼女

羞恥に頬が染まり、背中を向けた吏那。


吏那の後ろ姿を見つめながら、俺はくつくつ喉奥で笑った。


「すぐ終わるから、そこでちょっと待ってろ」

「はい……」


ほっそりとした肩を小さく丸め、吏那は消え入りそうな声で返事をした。


文化祭の終了時刻は15時。


あと少し、吏那と見られるか。


俺は暗幕が貼られた教室に入った。


「ねぇ。紅月さん」

「ちょっと来てくんない?」



──その間、吏那の身に起きていたことも知らずに。