眠れる森の彼女

息も吐かせてくれないほど、オーダーとって、運んで、その間勝手に写真撮られまくって。


あっという間に14時の交代時間となった。


「えー! 椎名くん居なくなっちゃうのー?」


客からのブーイングは織原が全て受けとめてくれるだろう。


本気で疲れた。


ヴァンパイア姿のまま、男子用の更衣室となっている教室へ向かう。


早く脱ぎてぇ。


あ。牙はとるか。


「椎名先輩……!」


呼び止められて振り返ると吏那がとことこと歩いてきた。


「脱いじゃう前に写真撮らせてください」


携帯の背面を俺に向けている。


──吏那も、かよ。