眠れる森の彼女

「さすが万威だね。お言葉に甘えて受け取っておくよ」


織原は俺の腰ポケットに手をつっこみ、くしゃくしゃになっている各種無料券を持っていった。


「あーあ。俺はオリハランと回るのかよ」

「それは織原の台詞だろうが。早く行け」


ぐちぐち呟くミイラ男・各務を連れて、織原は休憩に入った。


「お待たせしました。オレンジジュースです」


早速テーブルにオーダーされた品を運ぶ。


接客はバイトで猛さんに仕込まれているから、お手の物だ。


恐ろしくマントと牙が邪魔だけど。


「椎名くんかっこいい……」

「2時間並んでて良かった」

「何なんだろう、同じ空気を吸えてるだけで幸せ……」