「すごいね…」


どこもかしこも見渡す限りカップルだらけ。

手を繋いでいたり…キス…していたり…

こんな沢山の人の前でキスなんて…


私なら恥ずかしくてできないよ



「ん?」


「や、カップルだらけだなー…と」


「何いってるの?俺らもそうなんだけど?」


私の方を見てくすくすと笑う。


「そっそうだけど!多いなぁって」


「ほらほら、あんまりじろじろ見ちゃいけません」


そう小さな子に言うように私に言い聞かせる冬雅。


頬を膨らませ、ふてくされた顔をすると、その頬を両手で挟まれた。