「可愛すぎるからもうそれくらいにしておいて」


「かっ可愛い?!」


「うん。すっごく可愛いよ、俺ずっと沙雪のこと好きだったんだもん。なのに、気づいてくれないし」


「もしかして、私に言ってた好きな人って…私だったの?!」


「そうだよ。俺の身にもなってよ、好きな人に好きな人の話されるんだよ?」


「う〜、でも、あれは多分憧れだったんだよ。先輩に名前呼ばれてもなんだかもやっとしちゃって……冬…雅には名前で呼ばれてないなって…思って」


「そんなこと思ってくれてたの?」


うんと頷くと、いきなり近づいて私を抱きしめる冬雅。


「えへへ…沙雪…好きだよ」


甘い声でそう耳元で囁かれる。

体が熱い。


「私も…」


「私も?」


「…好き…」


そう言うと、抱きしめられていた手がより強くなる。


「くっくるしい…」


「わ!ごめん!」


そう言って体を離す冬雅。

あ、離れちゃった。

そんな気持ちが顔にだだ漏れなのか、私を見て笑い、冬雅が私のおでこにキスをした。