「それで?どうして泣いたのか…分からないなんて言わせないわよ?」


思い出した約束のこと。

授業も終わり、人気の少ない屋上までの階段に座る私と瑛ちゃん。



「好き…なのかなぁ?小山くんとの約束…先輩にじゃなくて小山くんが良いと思った」


「それが本当の恋ってやつじゃないですか?先輩には単なる憧れってやつだよ。あんなに格好いい人居ないもん好きだって錯覚するのにはちょうど良かったのかもね」



本当の…恋?



「ま、気持ちに正直になりなよ。自分に問いかけてみな?」


そうだ。私は小山くんが好きだ。


ただの憧れなんかじゃない。


暗いからと、送ってくれる小山くん。

その送ってもらう時間が幸せだった。


私のためにというその気持ちが凄く嬉しかった。


周りをよく見て、場を和ませてくれる優しさが…私は好きだ。