オレンジ色の空があっという間に深い藍色に変わったころ、わたしは小さなアパートにやってきた。



アパートの下にはカボチャのお化けがたくさん置いてあって、それぞれに表情がある。


上を見てみれば各部屋のドアのところにも大きなカボチャが置いてあるのが見えた。





ドキドキしながら、とんとんと階段を上っていく。


このアパートでカボチャに火が灯っていたのは一部屋だけだった。





――――ピンポン、



白いシーツの下で、ワクワクしながら頬を染める。


ここにいるのはどんな人だろう。


どんなお菓子をくれるのだろう。


甘いお菓子がいいな、キャンディも好きだし、チョコレートはもっと好きだ。









「ハイハイハイハーーーイ!!!!」



中から大きな声がして、バンッとあわただしくドアが開いた。















「トリックオア、トリート!!!!!」