「隣、いい??」
「...ああ。」
だれもいない連絡階段に座り、心地よい風に当たりながら少しの間だけ自分の世界に入る。
『正直、お前は成長したと思ってた。』
大和の言葉が脳内で波のように押し寄せてくる。
自分でも成長したと思ってた。
でも『何を』成長したと聞かれたらきっと何も言えない。
『成長した』かを決めるのは周りの人間なのに、自分で言ってしまったらそれはただの自己満足なんだ。
...でも、それに気付くのには時間がかかりすぎた。
「翠...
気付いてるよね、もう。」
「...」
「ふふ、別にいいんだよ??
私、頼りない翠も大好きだから。」
「...っ」
『どんな翠も愛してるからね』
違う。
いま目の前で俺を包んでくれてるのは優宇じゃない...

