線香の香りに包まれ お墓の前で、あたしは合掌をする。 『久しぶり。お母さん…お姉ちゃん。 …あの日から、もう7年だね。 …だけどもう少しで、終わるから…。 ……終わらせるからね。』 そう言って、目を開けた。 不意に隣を見ると、まだ目を閉じて お参りをしてくれている煌弥くん。 ……煌弥くんは、お母さんとお姉ちゃんに 何を伝えてるのかな…? あたしはそんなことを思いながら 見つめていた。