そこには、壁によしかかる煌弥くんがいた。 彼もあたしに気付いたようで こちらに向かって歩いてくる。 「おっす。借りた傘、返そうと思って。」 「……なんでいるの? てゆうか、なんでこの学校って知ってるの? …怖いんだけど。」 __彼とはもう、会っちゃだめなのに……。 「俺の家まで調べ上げたやつが 言うセリフかー?」 傘をブンブン回しながらそんなことを言う。 ……ふと、 あたしはあることを思い出す。