【煌弥side】 株式会社の社長である親父の死は ニュースにもなっていた。 葬儀も豪華で、たくさんの人が来ていた。 人が多い分、聞こえてくるんだ。 『本当に、お気の毒ですわね……。』 『足を滑らせ、転落したんですって。』 『不幸な事故だったそうよ。』 ……上辺だけの、たくさんの同情が。 居心地の悪い空間から抜け出し 俺は公園のベンチに腰を掛けた。 その日は、雨の降る肌寒い夜だった。