【雫side】 ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 『こいつの父さん、人殺しなんだぜ!』 夢の中で、かつて同じクラスだった 男の子があたしに向かってそう言った。 『人殺しの娘は学校に来るな!』 当時、小学生だったあたしは そんな言葉がグサグサと胸に突き刺さった。 『雫ちゃんのお母さんとお姉ちゃん 死んじゃったんでしょ?』 『どうして雫ちゃんだけ お父さんに殺されなかったの?』 そんな子どもの無神経な質問が どんどんあたしを壊していく……。