ハルが脱いだスーツのジャケットをハンガーにかけている時、ポケットで震えたハルの携帯。



取り出した携帯の、背面ディスプレイに映し出された名前を見て、思わず絶句。


【松下 千夏】



・・・誰?


まさか浮気!?


ないない!!




「ぶー子、やっぱりビール飲む。」


「はーい。ハル、携帯鳴ってたよ?」


私はハルに携帯を渡して、冷蔵庫にビールを取りに行った。


「ねぇ、松下さんって誰?」


「友達。さっきまで、一緒に飲んでた。」



はぁ?


「ハル・・・仕事じゃなかったの?」


「今日は違う。帰りに偶然会ったから、飲みに行った。」


ハルは悪びれる事なくそう言って、松下さんに電話をかけた。





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