一時間後。

チラシもでき、必要枚数のコピーも終わった。

しかし精霊二人のおつかいは、まだ帰ってこない。

普通に行けば往復30分程度の距離なのだが。

「おかしいなぁ…地図も持たせたし、マスクくらいすぐに見つかると思ったんですけどねぇ…」

首を傾げるセレナ。

「まぁ彼女達は、こちらの世界には不慣れなのだろうしな」

腕組みしつつ、武も保健室の時計を眺める。

と。

《お待たせぇ、ちょっと手間取っちゃった》

《でもキチンと買ってきましたよぉ》

元気な声を上げて、シルフとドリアードが帰ってくる。

彼女達が買ってきたのは、虎の仮面や額に『肉』と書かれた仮面など…。

金や銀の派手なカラーリングのものばかり…。

「こ、これは…」

再び胡乱な目をする武。

《ご注文はマスクですね?》

ドヤ顔するシルフ。

プロレスのですね、わかります。