龍乃一味のカオスな学園生活

「どうですか?年越し蕎麦は」

雪菜がニコニコしながら訊ねる。

「…………」

ツルツルと蕎麦を啜り、モソモソと咀嚼。

味わっているのもあるが、大体にして冬樹は感想を言うのに時間がかかる。

咀嚼する事約5分。

「………………………………とても美味しいです」

「よかったぁ」

冬樹の言葉を聞いて、雪菜も箸を手にする。

「防人さんはどうですか?」

「…ええ、美味しいです。雪菜さんの料理はいつ食べても美味しいですね」

「そうですか?うふふっ、照れちゃいますね」

防人の言葉に偽りはない。

だが…。

大晦日なんだし、ざる蕎麦じゃなくて温かい蕎麦の方が良かったなというのが、防人の本音。