龍乃一味のカオスな学園生活

甘いものを食べて一休みした二人は、残る寒ブリを求めて天横を逆走する。

人の流れに逆らって歩くのは大変だ。

「手を放さないで下さいね…花さん…」

花の手をギュッと握りしめる冬樹。

ボンヤリして華奢な冬樹だが、しっかりと握り締めてくるその手は、ちゃんと男の子だ。

なかなかに頼もしい。

兄の武とはまた違った安心感。

花はされるがままに冬樹の後をついて行く。