「あぁ…そういえば見かけたね、初等部の子が中等部の校舎の方まで来てたの」

顎に人差し指を当てて思い出す琥珀。

「あの子達はリィシンさんのとこのシオン君と、リィファさんのとこの花龍ちゃんですよ」

セレナが言う。

橘家はかつての天神学園留学生、シンやリィと家族ぐるみでの付き合いがあり、その子供達であるシオン=グリフィノーと早川 花龍も知っていた。

現在の所は一方的にシオンが花龍に好意を抱いているようで、逃げる花龍をシオンが追いかけ回す、という図式が出来上がっているらしい。