廣クンの表情は切なそうだった。
凄く悲しい瞳を見せた。
「何で?」
あたしが聞くと、廣クンに余裕の無い顔が見える。
「俺はお前だけは駄目なんだよ」
「意味わかんない」
「それでもいい」
「ねぇ、裏真君ー?」
「何で名前知って…」
「俺の名前。功 蒼斗。
キミのライバルになってあげる。
もう…キミに好きな人を取られたくないし。
これは復讐だよ」
「ふ…くしゅう?」
「うん、そう」
「ちょっと、功クンっ…」
「妃鞠ちゃん…。俺はね、カレに奪われたんだ。
彼女をね。それも去年に…」
「俺、覚えてねぇーぞ」
「浮気ばっかりしている君は、気づくはずもない。
女子1人1人の気持ちなんて…」