浮気彼氏から奪うオトコ。






いつも平常心だったくせに。

急に態度を変えてしまう功クンに、ドキッとしてしまう。




「じゃあ今日ははしゃがないと」

「えぇ、行っちゃうのぅ?」



女子たちの視線に、功クンはさりげなく微笑んだ。


「俺はこの子以外、興味ないんだ」


そういってあたしの手を引っ張った。


「行こう、妃鞠ちゃん」

「う、うんっ」



「ちょっ」



女子たちが引きとめようとしたときには、あたしと功クンはいなかった。




「はぁ…疲れたぁ」


随分走ったせいか、髪がかなり乱れてしまった。

そっと功クンの手のひらが、あたしの髪に触れた。