浮気彼氏から奪うオトコ。







「じゃあ、あたしも頑張らなきゃ」


決意したように言うと、柚希は喜んだように頬を緩ませた。


「頑張れ、妃鞠」


いつも背を押してくれるように、柚希は力強く言った。

そしてピースサインを見せてくれた。




元気になれる魔法のサインだった。


あたしは深く頷いて、柚希と一緒に花火大会の場所へ向かった。







「ゆ、柚希ぃ…」

「何びびってんの」


電車の中で、何回も柚希を呼んだ。

いざ功クンに会うとなれば、鼓動が速くなっていく。



「さっきまでへっちゃらな顔だったくせに…、全く」


こんな可愛い浴衣に、髪飾りをつけているあたしって、絶対に似合ってないもん…。