着付けが終わると、満足げに柚希は頷いた。
「よぉーし!これで功ってヤツの心は鷲掴み間違いなし!」
「ゆ、柚希…。何だかやっぱり浴衣なんて…」
おずおずと言うと、柚希は鋭くあたしを睨んだ。
「なぁに言ってんの!可愛いから」
優しく肩を叩かれ、そのまま部屋から出るように、背中を押された。
「も、もう行くの?」
「そうよ!うちも行くんだし!」
「え!彼氏さん来るの!?」
「返事したら会いたいって……」
「もう返事したの!!?」
あたしは思わず柚希に食いかかった。
自分でも結構動揺している。まさか返事をするのが、こんなにも早いとは…。
「まぁ付き合うって話は、いいよ…って」
照れくさそうに言う柚希を見れば、凄く幸せな気持ちが伝わってくる。

