「おまじない?」
あたしが聞き返すと、店員は深く頷いていた。
よく見れば店員は、ふわふわした髪でお姉さんらしくて、
笑うと凄い愛らしい、美人さんだった。
「えぇそうよ。それはジャスミンの花形なんだけど、
持っていると恋愛運が高まるの」
嘘っぽい、なんて悪い癖で思ってしまう。
そんなあたしを見て、店員はまた笑った。
「いいのよ、信じられなくても。
でも本当なの。
嘘だと思って買って欲しいわ。
きっと数日後、素敵な彼でも出来るに違いないわ」
「…じゃあ」
そういって買うことに。
―素敵な彼、かぁ……。
一瞬だけ廣クンを思い出したのは、柚希には内緒にしておこう。

