浮気彼氏から奪うオトコ。






あたしは満面の笑みで頷いた。

「勿論っ」



「はぁ~、ノロケはいらないわぁ…」

「あっ!ご、ごめん。柚希ぃ」



柚希の存在を忘れて…しまった。



「全く。でも…あんた達が付き合うのは…」

柚希がちらりとあたしの後ろを見た。

あたしもその視線を追うと、そこには無表情でこちらを見る廣クンがいた。




「そろそろかも知れないわね」

「…廣クン」


「ほら、妃鞠。行くわよ!」

「あ、うん」



廣クンは時々目が合うくらいで、もう他に彼女が出来た。

それを聞いたとき、泣いてばかりだった。