腕を強く掴んでも。
何故だか心苦しいだけで、
早くここから離れたくなっていた。
「おい…まだ食ってねぇだろ…」
「何それ…ねぇ廣クン…。いい加減にしてよ」
「はぁ?」
ワガママすぎる彼に。
浮気ばかりする君に。
もう離れるしかないんだと、そう言われているようだった。
「…別れよう」
小さく呟いたとき、酷く後悔をしていた。
離れたらきっと忘れられると。
このときは信じていたから―…。
「廣クンのワガママには付き合ってらんないよ…。
功クンと付き合ってみる。
そうしたいってあたしが決めたから」
上手く笑えたのかな。
何て考えていると、廣クンがあたしの腕を引っ張った。
初めて学校以外で、廣クンがキスをした―…。

