結局色々な屋台のものを買ってしまった。

人影の少ないところを探していると、廣クンのケータイが鳴った。




「あ、わりぃ。ちょっと待ってろ」

「あ…うん」


電話1つで不安になるなんて。

あたしって小さい女の子なのかなぁ…。




廣クンの後姿は、どんどんあたしから離れていくように見えた。




「あれ、妃鞠ー?」

「ん?」


振り返るとあたしがよく知る人がいた。



「柚希!」

彼女は柚希って言って、あたしの小さい頃からの幼馴染。

凄い仲良しで、一時期は廣クンと付き合うことを反対されていた。




「1人?」


柚希は怪訝そうに聞いてきた。


「あたしは1人じゃないよ。柚希こそ、1人?」


周りに人がいなくて、疑問そうに尋ねると。


「あんたさ、いい加減別れないの?」

「…なんで?」