「なぁ、妃鞠。今幸せ?」
廣クンは笑みを浮かべていた。
勿論あたしは頷く。
「廣クンは?」
「俺も幸せだよ、すっげぇ。
妃鞠の親父さんにバスの中で聞かれたから、思い出したんだ」
「そうだったんだ」
蒼斗は何かを思い出したように手を叩いた。
「ねぇ、何ならさこの1年半の思い出を皆で語ろうよ。
まだ今日は長いんだし」
「それもそうだな」
廣クンが頷くと、柚希も賛成していた。
「1年半なんて、凄い早かったなぁ…」
あたしは懐かしく思いながら、振り返る。
「蒼斗…ちゃんと咲いたね」
「そうだね」
視線の先には、大木の目の前で綺麗に咲く、ジャスミンの花が見えた―…。