俺は首を横に振った。

「不正解」

「えぇ、そんなのわかんないよ。カレンダーにでも書いてあるの？」

「んなの、書いてねぇよ。

今日は…アイツの誕生日だからな」


「あぁ！だから今日なんだ！そっかそっか」

「ったく…、冬が終わったら、ゆっくり出来ると思ってたのに」

「1年後の約束、妃鞠としてたの？廣は」

「してねぇけど…、俺等がよく昔に花火大会に行った場所では会ったぜ」

「さすが」



―約束なんてしなくたって。

俺等はもう1度そこで会えた。



「1年後」の約束は、俺にとって叶わなかった。

それになかったことにしていたんだし。


「でも…1年後の約束ってのを妃鞠が言い出したのはびっくりした」

「何て言ったの？」

「1年後の約束は、お互い幸せになってから出逢うことだね。ってさ」