柚希が子供を産んでから、もう数ヶ月。
俺と一緒にいることが多かったから、今では父親代わりだ。
「んま、いつか本当の親父になれたらいいな」
「誰の？」
「誰かさんの。ほら」
「あ、待ってよ」
―なぁ、妃鞠。
妃鞠がいなくなったときは、毎日がしんどかった。
本当に…寂しかった。
けど、柚希が赤ん坊と必死に向き合ってるとこ見たら、目ぇ離せなくなってたんだよ。
「…妃鞠ともう1ヶ月会ってねぇのか」
「そうね。急に結婚の招待状送ってさ。後1ヶ月待てなかったのかしら」
「なぁ、柚希。今日は何の日？」
「妃鞠たちの結婚式でしょ？」
