浮気彼氏から奪うオトコ。





―確か…、俺の前にはなんちゃらって…。


「んなこと言ったっけな。

ほら早く書けよ、ノート」


「う、うん」


何だ、ただのカッコつけだったのかな…。

ノートを写していくと、廣クンは隣の席に座った。




「妃鞠。今幸せ?」

「ん?」

「質問答えて」



ずっとノートに視線を落としたまま、頷いた。

「当たり前でしょ」

「だよな」

「あっ、チャイムが鳴っちゃう!」

「早く写さねぇと間に合わないぜ?まぁ、それはそれで面白そうだけど」

「ひどっ」



廣クンを見ると、また窓の外を眺めていた。