浮気彼氏から奪うオトコ。






「あの日、妃鞠がいるか分からないのに、必死に探そうとしていたの。

それを見て…かな」



―柚希が廣クンのことを…?

全然気づいてあげれなかった。


「柚希ぃ…その時応援できなくて…」



謝ろうとしたとき、頭をポカッと殴られた。


「いたっ!もう、これ以上馬鹿になったら、どうしてくれるのっ」

「ふふ、妃鞠はならないよ。それに謝る必要なんてないのよ。

うちが妃鞠を頼れなかったから」



くしゃりと柚希が笑みを浮かべていた。



「でも今じゃあ、すっごく頼っている。

秀の家にいるとき、妃鞠が気づいてくれて嬉しかったよ」



あたしはまた泣きそうになっていた。


―柚希が親友でいてくれて、本当によかった…。