浮気彼氏から奪うオトコ。






注文していたケーキが届くと、あたしは手を合わせた。

「…貴方みたいにかのんちゃんは、純粋な子だった」

「あたし、みたいに…?」

「えぇ…、記憶がなくなったときから、秀はずっと傍にいたの。

だから秀が本当の彼氏じゃないってことに気づけなかったのよ」




秀って人は、とても危ない人。

それでも―…悲しげな表情をしていた。



「時々優しくしていると思えば、いきなり痛めつけて。

私はそれが見ていられなくなった…。

だからかのんちゃんを遠ざけてしまった。


そしたら…かのんちゃんは私に助けを求めたの」




カフェラテに口をつけた彼女は、泣きそうだった。



「あの子の手首には痛々しい傷跡…。

それで私は生まれ変わったの。辛い思いをしている彼女のために」



お姉さんは無理して微笑んでいた。