―妃鞠Story*




「ねぇ蒼斗クン、柚希にも会ってから行こうよ」

「そうだね。家はどこ?」

「んとね」



1度バイクを止めて、道順を教えていると。


「あの…」


目の前に若い女性がいた。

歳は大体20歳くらい。



「秀って男を知ってますか?」


その名前を聞いて、あたしはびくっと震えた。

蒼斗クンはあたしを見て、


「その男がどうかしたんですか?」


と聞き返した。


「……弟なんですけど、家の中に誰かを閉じ込めていそうなんです」