「妃鞠、今度は間違えるなよ。

どんな道に進もうと、妃鞠の勝手だ。

でも…俺の娘だということを忘れるな」


「うん…知ってるよ」


「外国からじゃ、中々会えないけど。

いつでも飛んでいくから」

「あはは、そりゃいいね。じゃあ。お父さん、またね」

「あぁ。蒼斗って言うやつ、また日本に戻ってきたときは、ちゃんと話を聞くぞ」


「はは…」



廣クンはあたしにジャスミンの花をくれた。


「これ、やるよ」

「ありがと…、今までも沢山。本当に」

「礼を言うのは俺のほうだよ。ずっと浮気して悪かった」


すると廣クンは、寂しげな表情を浮かべた。


「もう俺との約束はいらねぇし、俺と2度と会わないで欲しいんだ」

「え?」

「俺の気持ちも、ちゃんと整理したいんだよ」