「妃鞠、行って来いよ」 「で。でも…」 「今後悔して、未来もずっと引きずるのかよ?」 「…ありがとう」 階段を下りていくと、そこにはやっぱり彼がいた。 「妃鞠ちゃんっ…話があるんだ」 「誰だ、コイツは」 お父さんが必死に抑えていた。 あたしはお父さんを抑えると、その相手に近寄った。 「どして…」 「……急に消えてごめん」 ふわりと抱き寄せられて、夢じゃないと実感する。 「…どこに行っていたの。蒼斗クン…」 彼が消えて数日も経っていないのに―…凄く懐かしい。