謝りたかったのは、自分の気持ちが整理できていないこと。

それを察していた廣クンは、優しく頷いてくれた。



―いつか廣クンを好きになれるのかな。

―あたしの隣にいる人は、廣クンなのかな…?



どうして?

昨日、お父さんにも誓ったはずなのに。

頭の中が、彼でいっぱいになってしまう。




「…妃鞠。俺等は一緒に住むだけで。付き合うワケじゃねぇし」

「…ん」


本当にいいの?

こんな気持ちのまま、廣クンの傍にいても―…?




「お、おい!誰だね、君はっ」

「…妃鞠ちゃんっ!いるんだろっ?」



―この声は、誰…?

―間違えるはずがない。この声は…。