―妃鞠Story* 廣クンが見つけた小さな店は、喫茶店だった。 メニューは豊富だし、どれにしようか悩んでしまう。 「あれ、妃鞠?」 「ん?」 急に名前を呼ばれて、顔をあげると。 「柚希!」 あたしと廣クンの隣のテーブルに、柚希とその彼氏さんがいた。 「…え」 廣クンは何故だか険悪そうな表情を浮かべていた。 それは、柚希の彼氏も同じだった。 「何で柚希が?」 あたしの隣に来た柚希は、少しだけ笑みを浮かべていた。 「デートっ」