「…失いたくない、なんてワガママだよね」
―あたしが苦しんでも、逃げているだけなんだ。
きっと…この恋は叶わないものだったんだ。
「……決めた」
―明日、蒼斗クンの病室に行って、別れを告げよう。
―とびきりの笑顔で、さよならを言うんだ。
「蒼斗クンを幸せに出来るのは、ずっと傍にいたかのんなんだから」
―廣クンのときの恋は、逃げてばかりで、終わってしまった。
だから今度は、逃げずに向き合うんだ。
「よし」
花弁を拾うと、テーブルに置いた。
「…泣き虫を卒業しなくちゃ」
それなのに涙が止まらないのは、あたしがそれほど蒼斗クンが好きだったから―…?

