「…俺はどんな妃鞠でもいいけどな」
少しだけ苦しそうに笑う廣クンを見て、
つい視線を逸らしていた。
「……うん」
ただ頷く以外できなくて、そっぽを向いたままだった。
「まぁ、デブになったらやだけどね」
「えっ」
「妃鞠は妃鞠らしくていいんだよ」
前をずっと見ていた廣クンは、ゆっくりと振り返って言った。
「何それ」
「そのまんまの意味」
「あたしらしいって何」
「わかんねぇの?」
「うん…」
自分らしさなんて考えたことなくて、ずっとうなっていると。
「そういう真剣なとことか、後…」
「ん?」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…