(…勉強頑張ったら、願い事叶えるって言ったけど。
もし高い物だったらどうしよう!)
昔から貯めてきた貯金。
そうだ!
地味な私には欲しい物なんてなかったし、
ずっと貯めていたんだ…!
貯金箱を開けると、そこには何もなかった。
偶然部屋の前を通ったお姉ちゃんが、鼻で笑っていた。
「あー、何かさぁ。お金なんていらなさそうな子に、
そんな大金持っていたから、
お姉ちゃんがお母さんにあげて、昨日の夜外食で使っちゃった」
悪気はなかった、というお姉ちゃんに何も言えなかった。
逆らえば、お母さんも出てきて、絶対に叱られる。
そう思うと、黙り込むしかなかった。
「…そっか」
大事に貯めていたものがなくなったように、蒼斗も失いそうで怖かった。

