「ホントだ。でもあたしの席…」
「じゃあ交換ってことで」
「分かったよ」
鞄を机にかけると、功クンの席に座った。
「ふぁ…」
あくびがつい出てしまう。
「まだ、7時だったんだね…」
「そうだよ、びっくりしたぁ。キミは家がここから近いの?」
「んー…まぁまぁ近いかな」
「そっかぁ。俺電車とか乗ったことないからさ、羨ましいよ」
「あたしもないよ」
「それじゃ、今度乗りに行こう!」
「あ…、うん。そうだね」
(これは、浮気とかじゃないよね…?
ううん、今はどうでもいいもん。
廣クンとは朝、喧嘩しちゃったし)
「おい、お前そこ妃鞠の席だぞ」
そんなことを思っていると、廣クンが教室に入ってきた。
「あ、おはよう。交換しているだけさ。
別に些細なことだろう。それに…見た感じ、
喧嘩してるみたいだけど」

