重い身体を起き上がらせると、蒼斗クンがあたしを庇って倒れていた。 あたしの手に、赤いものがついている。 「蒼斗…クン?」 彼を呼んでも返事がない。 目の前には、言葉に出来ない残酷なものがあった。 「……蒼斗クン…?」 どんどん赤色が視界に広がっていく。 そして状況を読み込めたときには、救急車がきていた。 「蒼斗クン!」 彼があたしを庇って、事故に遭ってしまったのだ―…。 あたしも救急車に乗せてもらうときには、意識が途切れてしまった。