無言のままバイクに乗ると、蒼斗クンにしがみついた。
温かい体温が、すぐそこにあるのに。
あたし達は付き合っているはずなのに。
廣クンの時よりも、凄く遠く感じる。
―どうしてなんだろう。
―…凄く、嫌な予感がする…。
頬を蒼斗クンの背中に擦りつけ、そっと目を閉じた。
柚希の彼氏が、どうして廣クンに似ていたのか。
偶然だと思うんだけど。
どうしても引っかかる。
あの顔立ちと、立ち方は廣クンそっくり。
特に立ち方なんて、廣クンはポケットに手を入れてそっぽを向いている。
それと全く同じだった。
髪型以外は違っていても、やっぱり気になってしまう。
(今日…廣クンに聞いてみようかな)

