浮気彼氏から奪うオトコ。






学校に行くと、あたしの席に誰か座っていた。


「…あの」


「…んん。あれ…、妃鞠ちゃん?」


「あ、功クン!!」


「もう朝かぁー…」



うん、と背伸びをした。


「いつからいたの?」


「昨日の夜ね、ここに来て入学手続きしたんだ。

髪違反だ、とか言われたけど

テストで満点取ったら、許してくれた。

不良世界と違って、甘いんだねー」


「マジですか…。うん、そりゃ凄いから許しちゃうよ」



苦笑すると、何か気づいたように首を傾げていた。


「目、クマできてる」


「えっホント??」


「夕べ眠れなかった?」


「…うん」


「じゃあさ、まだ授業まで時間あるんだし。一緒に寝ようよ」


「あれ、功クンの席は?」


「妃鞠の横にしてもらったー」



横を見れば、席が1つ増えていた。