―かのんって名前を言った瞬間。 俺は目の前にいるヤツの顔色が、変わってしまったのを見て、 すっげぇ悲しくなった。 「知ってんだな…」 「何でソイツを、廣が…?」 「復讐しようとしてきたヤツがいるんだよ。 そのオンナをこの世で、一番愛してたヤツがな」 「…そ」 「何で自殺に追い込んだんだ?」 「は?」 秀は何故か驚いている。 俺は意味が分からず、秀にもう1度聞いた。 「かのんってヤツ、浮気されて死んだって…」 「…死んだ?」 「秀?」 「アイツは……死んでなんかねぇぞ…?」