ということは…。
「浮気症なの?」
「うん…、結構。でもキスもしたし、あっちだって「愛してる」って。
そう言ってくれるから」
「そっか…、柚希も辛いんだね」
「何か隠していそうなのよねぇ…」
「何か?」
「そう…、重大そうな何か…。
不良のくせに、恋愛になると慎重になってさ…」
「気にしすぎじゃない?蒼斗クンだってそうだし」
「そっか、そういうものだよね」
柚希は安心したように微笑んでいた。
「そういえば、妃鞠ってさ。クッキー好きだっけ?
一枚いる?」
柚希が見せたのは、駅前のクッキー。
驚いていると、
「秀も好きなのよ。このクッキー」
あたしは少しだけ、何か悪い予感がしていた。
でも幸せそうな柚希を見ると、何も言えなくなっていた。

