「何か妃鞠ちゃんが可哀想になってきた」


俺は本音を言うと、コイツは鼻で笑っていた。


「そうだな。復讐相手間違っているのに、現実から目ぇ逸らして。

それで妃鞠と付き合うなんて、最低な野郎だな」


「はは…」



俺は近くにあった公園へ、足を運ぶと、ベンチに腰を下ろした。



「普通なら、俺を殴ってさ。怒らないの?」

「あー…そりゃそうだろうな」

「何で?」

「妃鞠が嫌がるだろ。意味のない喧嘩は」

「…そんなに大切なら、手放すようなことしなかったらいいのに」


「1度失ってみて、気づいたんだよ。あんたがいなかったら、

俺は妃鞠を傷つけたまま、今日までずっと我慢させていたってな」



本当に、妃鞠ちゃんといい、この男といい…。

変な人ばっか。




ほっとけばいい人を、何故だかほっとかない。

もっと早く、こんな人たちと出会えていたら、過去は変えられていたのかな―…。