浮気彼氏から奪うオトコ。








その時優しく頭を撫でてきたんだ。


「な、何すんの!?」

「ふふ。可愛いんだから。不良なんて止めなさいよ。

貴方には似合わないもの。


あぁ、私はねかのんって言うの。

芹咲かのん、ね。覚えてね」



―かのん…ねぇ。

何だか強気の彼女には似合わない名前だった。



「あぁ!その顔、似合っていないって言いたいの!?」



―何コイツ。

案外俺の思ってること、伝わっているのかな…。



そう思うと、少しずつ絡まった糸がほどけていくようだ。



「…君の名前は蒼斗!当たりでしょ?名簿見てきたんだもん。

それにこんなにカッコいいなんて聞いてないよっ」